■これから発表準備編
さてとパワポファイルを新規作成!
→まずはパワポの画面サイズ(アスペクト比=縦横比)を確認。市ヶ谷田町校舎マルチメディアホールのプロジェクターは横:縦=16:9のワイド画面です。4:3でも写せるけど、少し小さくなってしまいます。お勧めは16:9。
私デザインセンスないんですよね。
→センスじゃなくて、基本を学ぼう。まずは「伝わるデザイン」をざっと読んで(できればもっと早い時期に)。ていうか、景観研でデザイン酷いのは却下だろ。
まず1枚目はタイトルでしょ。これは楽勝。
→時々、プログラム、概要集、本文、発表でタイトルが違う人がいますが、大丈夫ですか?タイトルの統一を!
あした発表練習。もう夕方なのに背景目的までしかできてない。
→最初の方に凝りすぎです。そして導入はなかなか難しいもの。最初の完成度は60%でよい。発表で大事なのは導入より中身なので、そっちに時間かけよう。
7分の発表なのにスライドが40枚ある。どうしよう。
→まず、本文と発表の内容は同じにならない。説明できる具体的な分析考察は7分間のプレゼンでは2-3件が限度。だから本文でまとめた内容のうち、発表で紹介する内容を絞りこもう。その上で、まずは具体的な成果をビジュアルに示すスライド、結論となるスライドを作る。あとはそれに向かう説明を。7分の発表ならスライド総数は14,5枚からどんなに多くても20枚まで。それを越えると見ている側に内容が届きません。
絶対7分じゃ入りません。
→そりゃあ1年間かけてやったことをその順に喋ろうと思ったら7分は無理。でもわかったことの内容とその意味を伝える、細かなことは聞かれたら答える、と割り切れば7分は十分な時間。
てことは、とりあえずわかった結論をざっといえばいいってことですか?
→いや、そうじゃなくて、根拠となる情報を示して、どうして結論が導かれたのかを筋道立てて伝えてください。
じゃあやっぱりやったことを順番に説明しないと
→やったことの説明ではなく、言えること、わかったことを伝えるのがポイントです。「そんなにやって大変だったね」と言ってもらうのではなく「そんな興味深いことがわかったんだね」と納得してもらいたい。
え、じゃあセリフとスライドはどういう感じにしたらいいんですか。
→見てる方としては、スライドが切り替わった瞬間に全体を見て、そのスライドの全容を把握し、発表者の説明で確認する感じです。だから、スライドは短時間で流れを把握できるようにするのが親切。喋るのと同じタイミングで文字が出てくるスライドは事前に中身を予測できない。
■スライドデザイン編
そのまま読めばいいように、スライドに文字たくさん書きました。
→これはダメなパターンの典型例。そんなの見せられても聴いてる方は要点がわかりません。画面の情報量は必要最小限に。パワポは原稿ではありません。
わかりやすいようにいっぱい色使いました!
→これもダメパターン。カラフルすぎると何が強調されているのかわかりづらい。色に意味はありますか?見ている人が容易に判別できる色使いになってますか?色の選び方のルールを考えてますか?
これも「伝わるデザイン」の[配色]を参照。
流れをわかりやすくするように矢印を使いました!
→その矢印の意味を説明してください。因果関係? 作業フロー? 単に「次に」の印? 矢の向きは何を示す?
もしも矢印がなくても済むなら消しましょう。使うのなら、矢印の太さや形状は統一。
パワポのアニメ使いまくったら乗り切れるっしょ。
→見てる方は目がチラチラするの。アニメーションはここぞという時、つまり動きや変化を見せなければ内容が伝えにくい時に使わないと、効力が落ちます。基本的には使わない、と考えてもいいです。それから、審査側はパワポの発表をゴマンと見ているので、アニメーションごときでは惑わされません。
本文から図表をコピペした。ここは楽勝。
→本文のグラフや表をそのまま画面に貼り付けると、マークや字が小さいとか、軸の数値が読めないとか、凡例が見えないとか、いろいろ不具合があります。遠くから見てもわかるように必要な修正を加えなければなりません。表も、wordやexcelからのコピペのままではなく、Powerpoint上の表として書式を修正してください(構成の確認をする発表練習1回目はそのままでもOK)。図表のタイトルをつけるのを忘れないこと。
でっかい表を載せたいので無理やり貼り付けた。文字小さいけど雰囲気伝わるよね。
→少なくともどんな表なのかを知らせるために、ヘッダ行(左端と上端)の文字は読めるように。発表中に言及する部分だけ大きく表示するのも手です。
表に限りませんが、画面上で読ませる文字は18ポイント以上、14ポイントより小さい文字は「そもそも情報を見せようと思っていない」という印象です。
分析・考察の内容がわかるようにスライドをまとめました!
→一歩引いて考えてみよう。初めてその説明を聞いた人が研究の枠組みを理解できるだけの情報が示されているだろうか。分析・考察の全体像が伝わるか、先輩や同級生に見てもらってチェックしよう。
最後のスライドは「ご静聴(ご清聴)ありがとうございました」をバーンと出して締め!【2023.7.30追加】
→いつからこの無意味なスライドが世の中にはびこるようになったのか本当に知りたい。景観研ではこの「ご清聴感謝」スライドは原則禁止します。このあと質疑がはじまるのに、せっかく出したコンテンツを見えないようにしてしまう形式的スライドは無駄。聴衆にお礼を言いたかったら口で言えばよい。結論とか課題とかの画面を出しっぱなしにしているほうがよい。
■発表練習編
発表練習で「わかりにくい」「分からん」とか言われて心が折れそう。
→頑張りどころです。ただ、連日の作業で判断力が鈍っている可能性もあります。スライド修正の優先順位は指摘を受けたときに確認してください。そして、M1の先輩の助けを仰ぐこと。え、先輩に頼みづらい?大丈夫。先輩たちも去年は助けてもらった方です。それだけじゃない。「自分がヤバい時に周囲に助けを求める」のは大切な能力です。「自分だけでできるのが偉い」のではなく「助けを求めることができないのは能力不足」。年度はじめに、卒論は学生個人のもの(だけ)ではなく、研究室のもの、と言った意味が分かりますか?
練習したら8分かかった。しゃべるスピードを8/7倍にすれば7分に収まる!
→あのね。発表は読めばいいってものじゃないの。聞く側に伝わらなかったら意味がない。重要な概念や用語を説明するところや結果を理解してほしいところは時間をとってゆっくり話す必要があるし、内容のまとまりを伝えるために少しの間を開けるべきところもある。だから発表の中身を吟味して内容を減らしてください。さらに画面上をレーザーポインタで指すなどの時間も必要です。
発表してたら息が苦しい。
→ちゃんと息継ぎをして、間をとってください。聴いてる方も息が詰まる。
風邪の季節だから家で作業して練習も自宅でやります。【2020.12.31更新】
→指導ができません。研究室のM1が助けられません。会場での見え方のチェックもできません。卒論発表は宿題ではありません。どうしても来ないと言うなら強制はできませんが、指導にも責任持てません。
コロナ対応でリモート環境が整いましたので作業場所は自由でよいと思いますが、先輩や教員のチェックを受けないで発表準備をするわけにはいきません。人に聞いてもらって意見をもらう発表練習は何度も繰り返し行ってください。また、対面・リモートにかかわらず最終発表と同じ状況・機材でのリハーサルは重要です。パワポデータの持ち込み、PCの操作など、事前に把握しておいてください。会場入りする時刻なども事前に確認すること。
「景観研究室の◯◯が発表させていただきます。」
→いや、卒論「審査」なので、そこに敬語を使うのは変。「発表します」でいい。
■発表会場編
発表中はノートPC画面に釘付けで、会場を見る余裕がありません。
→練習が足りないな。みんなだって授業で教員が黒板とかPCしか見てなかったら「教える気あんのか、学生の方見ろよ」と思うでしょう? 卒論発表の本番ではパワポの発表者画面が使える保証がありません。画面のノートは頼りにしないこと。
発表会場のプロジェクターで写してみたら、スクリーン上の色が自分のPCと全然違う!
→そういうものなので、よく注意してください(試して確認するしかない)。苦労して作った図が何にも見えない、ということも。
レーザーポインタで画面を指したら、緊張で手が震えて恥ずかしい。
→それはそういうものです。演台(教卓)の端にポインタを持った手を固定すると安定します。
レーザーポインタでグルグル指します。
→いや、指すべきところに止めて。それから、無意識にボタンを押して反対側にいる司会者を攻撃しないように。
■質疑編
質疑は出たとこ勝負で頑張ります。
→いやいや。準備してないことは答えられない。例えば次のようなことは準備しておこう。
- 対象地選定の理由「目的に対してその場を選ぶことが適切な理由は?」
- 成果の新規性「当たり前の結果しかないようだけど、何か新しいことがわかったの」「他の研究に比べて新しいことは何?」
- 研究の意義や展開「この成果は実際のプロジェクトでどう活用できるの?」
卒論審査会での質問は研究の内容に関すること、研究の意義や位置づけに関することなど、多岐にわたる。特に後者に答えられないことが多い。 - 研究の有用性「これは何の役に立つの?」
- 研究の展開「この研究は次にどのように展開するのか?」
景観研の研究はかならずしもすぐに役に立つテーマとは限らない。この分野の議論の素材となる基礎的知見であるだけでも十分(ものによるけど)。福井の師匠である篠原修先生の教え「よい研究は、役にたつか、(役に立たなくても)面白いか」
質問が来た。だいたい主旨がわかったのでかぶせ気味に答えた。
→まずは質問者の発言がすべて終わるまで待とう。よく趣旨がわからなければ、「すみませんもう一度お願いします」でよい。質問が冗長ではっきりしないこともあります。
何かすごくdisられたみたい!反論しなきゃ。
まあ待て。研究の展開や位置づけに対するコメントもある。そういう質問は肯定的に捉えて冷静に答えたい。自分の研究の正当性に固執するのは見ていて痛々しい。質疑の3分で議論はできない。言われたことはまずは受け入れる姿勢を見せて、自分の研究アプローチをとった理由を説明しよう。

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