2023年度はイタリアのPavia大学に客員教授として9ヶ月間滞在します.そのとき見聞きしたことはfacebookにときどき報告していますが,いまどきの学生さんはfacebookにはあまりなじみがなさそうなので,ブログの方に時々転載します.facebookに載せていないことも適当に書きます.
2023年5月2日.21:30羽田発の飛行機で出発.フランクフルト経由ミラノマルペンサ空港着.ウクライナ情勢の関係でロシア上空を避けて北極付近に迂回するため,本来のダイヤより3時間あまり余計にかかる.羽田離陸後,カムチャツカ方面に飛んでいくので,どこへ行くんだろうとちょっとびびる



機内のネット接続に支払うクレジットカード.渡航時のセキュリティを考えてナンバーレスにしたらそもそもネット接続がないとスマホでカード番号が確認できない.別に控えておけばよかった.泣く泣く従来カードを使って支払う.

現地時間朝5:00(UTC+2)過ぎにフランクフルト空港到着.日本時間12:00だから,14時間半乗った.
パスポートチェック.EUに入国.早朝なので行列なくあっさり終わる.乗り継ぎ待ち時間は早朝過ぎてお店も開いておらず手持ちぶさた.カプチーノを買ったらドイツのコーヒーは薄くて不味い.

フランクフルト-ミラノ便は1時間ちょっと.当然の事ながらアルプス越え.これが見たくて窓側席.

眼下の湖.後で調べてみたところ,これはイタリアのマッジョーレ湖(Lago Maggiore).ここから流れ出すFiume Ticino(ティチーノ川)のほとりに,行き先であるPaviaがある.

アルプスを越え,着陸に向けて高度を落とす.一旦南に行ってからUターンして空港にアプローチ.下に見えるのはティチーノ川.川の手前がミラノがあるロンバルディア州,向こうはピエモンテ州.左奥に見えるのはGalliateの町.町と農地・自然環境地がはっきり分かれているのはヨーロッパに来るたびに印象深い.

空港に近づいてさらに高度が低くなる.煙突のある発電所の手前にある運河がNaviglio Grande(ナヴィリオ・グランデ).ティチーノ川からミラノへつながる運河.向こう側はティチーノ川.2ヶ月後にこれらを見に行くとはこのときは思っていなかった.

無事着陸,の数秒前

空港ででかいスーツケースをピックアップ.小さいキャリーとリュックを背負って移動.あまり余裕がなく写真が残っていない.空港からミラノまでマルペンサエクスプレスで移動.スマホのSIMをさっさと調達したいが,滞在9ヶ月だと旅行者用のプランがないので,携帯電話会社窓口で交渉が必要.なので直接Paviaに行かずにミラノ中央駅の携帯会社店舗で調達しようという計画.
空港駅の窓口で切符を買う.これは英語が通じるから楽勝(英語が通じると安心するのがイタリアに来ての率直な感想).今見たらこの切符は1等車になっている(そんなこと窓口で言わなかった)が,その時はそんな余裕がなく適当に乗った.乗ったのは2等車だったかな(追記:マルペンサエクスプレスは1等車だけの運用なので間違いなかったです)。さらにこの切符は乗る前に有効化(駅にある専用のマシンで打刻)しなきゃいけないのに,してないな.切符の有効化が必要なのは知識としては知っていたけど,下の方の「CONVALIDARE PRIMA DALLE PARTENZA(出発前に有効化してください)」「VALE 3H DA CONVALIDA(有効化から3時間有効)」なんてこのときは全然見えてなかった.
ちなみに今はスマホアプリで列車を検索して切符が買えるので,この場合は有効化は不要.車内で検札係員が来てもiPhoneのwalletに登録したパスを見せるだけ.
停車中の列車はドアが閉まっているので,自分でボタンを押して開けるスタイル.誰も乗っていなくてこれまたちょっとビビるが,次の駅から普通に通勤客が乗ってくるし停車駅も多いので,同じエクスプレスでも成田エクスプレスというよりは札幌と新千歳空港を結ぶ快速エアポート.


1時間乗ってMilano Centrale(ミラノ・チェントラーレ)ミラノ中央駅に到着.
ミラノには頭にMILANOがつく駅が一杯ある.電光掲示板の表示が省略形になるのはほんとにやめて欲しいと最初に思った.中央駅は「MILANO C.LE」になる.

このミラノ中央駅.やたらに立派で広い.全部で4層くらいあるが,その間はスロープの動く歩道みたいので移動.両手で重いスーツケースを転がして携帯ショップを探すが,事前にチェックした場所付近に目当てのショップが見当たらない.何度もぐるぐる歩き回り,あきらめて日本で言うとDocomoにあたる会社でいいや,と店に入ってみる.しかしそこの店員のお兄さんがやる気ない感じの上,いまシステムが故障しているから一時間後に来て,とかいうので,ミラノ駅でのSIM購入はあきらめてPaviaに移動することに.

しかしこれがまた難儀.まずミラノ中央駅は24番線まででかいシェッドの中に収まっているんだけど,どの列車に乗ればいいのか全くわからない.この電光掲示板は経由駅がスクロールしていくので,どっち方面にいく列車なのかの判断もつかない中で,「PAVIA」を探すのは初心者には無理.正解は左側上から7番目のALESSANNDRIA行きなんだけど,それがわかるようになったのはミラノ周辺の地名を把握した2-3週間後くらい.この写真は動画で撮ったのをちょうどよいタイミングでキャプチャしたものです.お目当ての列車の停車駅が一巡するのに1分くらいかかる間に「PAVIA」が見えているのは10秒たらず.じゃあ動画で撮っておいて手元で確認すれば?というのは後から考えられることで,そもそも何分間撮ったら一巡するのかもわからないんですよ.

今だったら一番左の列車種別を見て,長距離列車系(FRECCIAROSSAとかitaloとか)をすっ飛ばして,ローカル列車を運行しているTrenordのR(各停)とかRV(快速?)を見に行くし,ミラノ中央駅でのPAVIA方面はだいたい24番線だとわかったので場所も迷いません.そもそもミラノとPAVIAを繋ぐ列車はミラノ中央駅を経由しない路線が多いことがわかったのは数週間後でした.東京都内から横浜に行くのに,新宿駅で湘南新宿ラインを待っているようなものです.
しばらく後に,日本で言うNavitimeみたいなアプリを入れて解決したけれど,このときはネットにも接続できない(意地で海外ローミング料金を支払わないつもり)なかで,荷物は重いしどの列車に乗ればいいかわかんないし.泣きそうでした.その辺にいた駅員ぽいおじさんに「Paviaに行きたいんだけどどの列車に乗ればいいですか?」と話しかけてみたけど電光掲示板を見ろ,と指さされて,そのまま途方にくれていたら,しばらくしておじさんが寄ってきて「ALESSANDORIA」行きだと教えてくれました.多分彼も電光掲示板をじっと見ていたんだと思います.

ちなみに車両はHITACHI製です.何とか列車には乗って30分ほど.ようやくPAVIA駅到着です.

だいたいどこもそうだけど,駅は町の中心からは離れているのでちょっと寂しい.

この石畳でキャリーバッグで難儀している旅行者は多いです.ここに見えるタクシーに乗せてもらって大学寮へ.運転手さんは英語が話せないけど寮の名前(Collegio Nuovo)は通じたのでなんとか着きました.
しかし,この寮のメインは女子学生寮.私が入るのは別棟の研究者棟(大学院生と研究者用).最初に行ったレセプションが学生の方だったので,女子学生寮にわけのわからない東洋人の怪しげな男が荷物抱えてきた,きっと何かの勘違いだろう,と見えたようで,話が通じるまでに時間がかかりました.結局事前にもらっていた受け入れの承諾書類を見せて解決.別棟に案内してもらって,イタリアでの生活拠点にたどり着きました.

まず300mほど離れたスーパーに最低限の食料を買い出しに.これまた大変.スーパーのシステムが日本と違う.野菜は姿をみればわかるけど,他のものはそもそもなんの商品なのか手がかりがない!青果類はキロあたり単価が表示されているので,セルフサービスで近くにある秤で重さを量って商品番号を入れると値札が印刷されるというシステムになっています.これがわからずにバナナを買ったけど,あれの値段はどうなっていたのか(レシートあるけど見るのが怖いのでまあいいや).レジで何を言われたのかも全然わからなかった.
まずは部屋でwifiがつながったので,まちなかの携帯ショップの位置を検索して,そこにスマホ用SIMを買いに出動.バスがよくわからないので徒歩で30分くらい.そんなに遠い感じはしない.若い女性の店員さんは英語が話せませんでしたが,予めSIMの条件(9ヶ月いるけど確実にいなくなるのでそのつどチャージする方式にして欲しいこと,通話用の電話番号が欲しいこと,テザリングができること)を英語と機械翻訳のイタリア語にして印刷しておいたので,要求事項はわかったみたい.手元のPCで何やらキーボードを叩いているので,プランの検討をしているのかと思ったら,DeepLでイタリア語を打って英語に変換してくれました.親切な店員さんだった.月150GB通信,国内通話無料,国際通話300分まで無料で初回25ユーロ,その後は毎月12ユーロ.ミラノ中央駅で提示された金額の1/3以下で満足の行く契約ができました.
通信開通まで30分くらいかかる,と言われたのでその辺を散歩.ティチーノ川に架かるPonte Coperto(コペルト橋)を眺めたり.そうこうしていると15分くらいで開通.これで生活ができる感じに.短期旅行者ならもっと簡単なんだけど,中途半端に滞在が長いのがネック.「5G」の表示があんなに嬉しかった瞬間はなかった.

長い長いイタリアの初日でした.
この調子で書いたら終わらないので次回からは簡略にします.


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